月別アーカイブ: 2015年12月

意と気と力

意識と身体の筋力、つまり意と力。人の意識は一定ではなくムラがありますね。朝起きてから頭の中は自分の思考、まぁ独り言的なおしゃべりが始まってひと時として止まりません。何かに集中していてもおしゃべりは続き、動作を行うにしても考えて意思決定してから『よっこらしょ!』とタイムラグがあってアクションがおきます。その間、意識の集中力もグラフの波のように強弱が発生しているわけです。組み手だとさらに動作が手足がバラバラで余計に『よっこらしょ』の動作が酷くなって隙間だらけとなり攻防のポイントとなります。一般的に意識の集中の基礎は自分の意識を『象を杭に縛り付ける』ことに例えられます。中国武術(八極拳)の場合だと初めに『数息』、呼吸を数える方法を指導されますがこれは意識を呼吸に集中させることが目的で『象を杭に縛り付ける』ことと同じです。武術の場合は身法などでさらに身体についていろいろ気を配り、そこから三盤合一や六合で勁力の抽出が要求されますから、この意と力の訓練はどんどんレベルアップされます。分かりにくい説明ですね、今回の話は簡単に言えば一挙動(一拍子)のことです。師爺も老師も師叔も『相手が来たらザバーって一発だ!』と言われます。実はこれは意識と身体、意と力の合わせについて指摘されているのです。この場合、気は意と力を繋げる役割として捉えられます。譚師爺はその速さから『快譚手』と言われましたが、その秘訣として拳譜の『他微動、我馬上就動』を引用して説かれました。昔、私の長春時代の話ですが、ある時に師爺が練習が終わってもしばらくその場にいらっしゃったのですが、ちょっと離れたところで師叔が他の方に技を掛けて説明をされていました。師爺は少し機嫌を悪くされたのか私に『見てみろ、隙だらけだ…』と仰るのです。その師叔はもの凄い功夫の方で、私から見て隙なんてとても分からないのですが、その時はただ頷くことしかできませんでした。しかし、師爺にははっきり分かるんでしょうね。帰国後に老師からこんなお話を聞きました。中国では旧正月に武門の弟子、学生も『拝年』の習慣に従って老師のお宅に訪問させて頂き、会食します。その師叔が師爺のお宅におじゃました時に『じゃあ、ちょっと教えようか!』ということになったそうです。師爺が『来い!』と言われて師叔が動いた瞬間にはすでに後ろに回り込まれて六大開連環変化の一手『圏攔搬扣』を掛けられていたそうです。しかしながら、やはり意と気と力、この辺りの話題になると日本武道である合気道、合気柔術、居合や古流剣術、中国武術では内家拳である形意拳、意拳、八卦掌、太極拳と共通する内容が多く出て来ますね。

最近は岡山市内の岡山総合グランドでもよく練習してます。来年は1/17、31、2/7、28まで予定してます。興味のある方は声を掛けて下さい。

※武学練用舎は岡山で活動している中国武術 長春八極拳の団体です。http://www.bugakuren.com/  連絡先:太田(tel)09017635450

中国武術入門 自由な動きを求めて

最近は岡山市内、岡山総合グランドで練習会をすることが増えてきました。来年はもっと増やしていくつもりです。中国武術に興味のある方は声を掛けて下さいね。さて、日曜日に会員の方から『そんなに自由には動けないのですが…』と質問を頂きました。そうですね、以前『バランスと力み』で書きましたが人と組んだ時点で接触点に負荷がかかります。身体のバランスを保とうと負荷に対抗するので結局お互いに支えあうように固まりやすくなります。この光景…どこかで見た事はありませんか?デジャブとかの話ではなくて、小学生の頃に平均台とかコンクリートの低い塀の上とかで押し合いして遊んだりした記憶のことです。この時は幅の細い場所で先にバランスを崩したほうが下に落ちましたが、今回は当然ながらお互いに寄りかかる状態から体格、体重、筋力、リーチなどの優劣が要となります。身体が固まらない方が良いのですが、普通はそうはなりません。では中国武術的にはどうすればよいのでしょうか?基本に戻って考えてみましょう。皆さんご存知の通り『馬歩』は『騎馬歩』とも言われてもともとは馬に乗ってる状態の姿勢です。そうです、バランスをとってるんですね。足の指で地面を掴む、肛門は締め、股間は円形。お尻は突き出さないようにして背中は真っ直ぐにしながら顎は引いて頭頂は上から吊るされたように(舌先は上顎に付ける)。肩は沈め、胸は含胸抜背、ただし猫背ではありません。初心者は呼吸は鼻から通って下丹田まで沈める意識をしっかり練習します。…確かにこれだけでも大変ですよね、習ってすぐにこれだけ全てできる人はマレでしょう。でも人と組んだ時にこれだけではなかなか上手くはいきません、姿勢を制御するシステムがうまく出来てないからです。『馬歩』の指導で椅子に座るようにとか、顎は引いて頭を上から吊るされてるようにとか言われるのはそのシステムをつくるイメージのためです。八極拳ならば小架の練習の時に「地面をしっかりつかんで、天地を貫くように…」とか動作の時には「腰を捻り胯を切る」なんかですね。これでさらに八方(上下左右前後)を意識、つまり八方に引っ張られる、逆に中心に引っ張る感覚で、これで自身の対幹なり中心なりを見出すのです。その上で重心移動の問題解決が残っていますが、この辺りから負荷に対して吸収するなりずらすなり、中に入るなりが見えてきます。ここで分かるのは、最初の姿勢の練習から『意識』して『身体』をコントロールしていくことです、意と力ですね。やはり自由な動きを求めていくには身法であったり、六合であったり、三節、四梢、内外五行…、諸々の研究と練習、勁力の体得ですね。なかなかすんなりとはいきませんが道筋はありますから、一歩、一歩です。

※武学練用舎は岡山で活動している中国武術 長春八極拳の団体です。http://www.bugakuren.com/     連絡先:太田( tel )09017635450