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地味で地道

易筋経、長春八極拳のものは別名『軟架子』と呼ばれ、少林派のそれとは別物…というのは以前も書いた通り。易筋経があり易骨経、易髄経。気の感覚とか意の部分も大事と思いますが、リアルに勁というものを考えた場合にこの骨格と筋肉について意識することは非常にヒントになります。身体のバランスを保つ、何かを支える、走る、跳ぶ、着地する。衝撃を吸収したり力を出したりと骨格と筋肉は要の役割です。ところが八極拳や内家拳は立身中正で背骨を真っ直ぐにすることを要求します。本来、背骨はS字形のカーブを描くことで衝撃を吸収するのにです。含胸抜背も本当は猫背ではありませんしね、胯は円くです。下丹田だけでなく腎の締めなどもろもろで腹部の内圧は上げます。その他に身法や六合など拳譜で要求されているポイントは勁力を導き出すことで(武術としての身体のシステムを作ることで)相手からの力を吸収、自分からの力は作用反作用で返されることなく伝えることが狙いです。中国武術はこの辺りの勁を導き出すカリキュラムは充実してますね、さすが三千年です。さて、筋肉は関節を跨いで斜めに繋がってます、これを全体的に眺めてみれば螺旋です。纏糸勁の感覚はここからきたのかもしれません。伸筋と屈筋、両方を使いこなすことで骨格に作用する。肩甲骨は肋骨の上を滑ってます、感覚的にはこっちばかり意識しすぎますが、実際に上腕に繋がっているのは鎖骨からですから。『体力がなくてもすぐできるコツ』や『簡単にマスターする武術』というコピーは魅力的ですが、「身体の感覚」や「身体の操作能力」は一っ飛びには越えられないので残念ながら巷のキャッチコピー通りにはならないのです。それより練習の目的を理解して感覚で探りながら『勁』を求めていく方がはるかに効率的です。リアルな伝統武術は地味で地道な練習の多い『夢』なんですね。まず、始めなければ、そして続けなければ近づくことさえ出来ません。当会では生徒の方募集してます、皆さん練習に来てくださいね。地味な人、歓迎します。

※武学練用舎は岡山で活動している中国武術の団体です。http://www.bugakuren.com/連絡先:太田(tel)09017635450