武学練用舎で練習している中国武術は八極拳、劈掛掌、大洪拳、十路単腿、八極太極拳
、全て中国東北地方の長春で行われているものです。長春は旧満州帝国と言われた時代には首都で、新京と呼ばれていました。長春八極拳はその時に宣統帝薄儀の護衛、武術教師をしていた霍殿閣が始まりです。霍殿閣の老師はもちろん李書文ですね。この時代に霍殿閣を頼って長春に来た師兄弟の周馨武が「三馬路」という武術館を建て、それによって民間にも広く普及されました。そういう事情からかこの長春市で行われている伝統武術はほとんど八極拳が主流となってます。私が譚師爺に習っていた1994年~1997年頃、師爺のところには70歳代~80歳代の年配の方も数名練習に来られてました。八極拳と言えば激しく足で地面を踏む「震脚」をイメージされる方がほとんどだと思います。実際に会に入会される時に「練習について行けるでしょうか?」と質問される方がいらっしゃいますから。そんな八極拳を高齢になってから練習できるの?と思われるかもしれません。…しかしながらと言うか当たり前なのですが高齢になってそんなには激しくは練習しません。闖歩(捻歩)を使いますが、震脚はほとんどしません。そんなに速くも行いません。腰も低くありません。いわゆる三盤合一とか六合と言われる身体の統一や姿勢、呼吸はしっかり注意されてますが、各々が自分のペースで練習されてます。若い時には八極拳の特徴である「発勁」を意識して、重心移動からキレのある動作を目指しますが、歳を経てからはそんなにキレのある動きを練習で行わなくなるようです。健康目的なのでそれで十分なのですね。激しく練習しなくてももともとの動作が合理的に出来ているので運動量は足りてるわけです。要は練習のやり方次第で、老若男女関係なく、身体に無理なく毎日気分爽快に出来るということです。